「誰が、かの女に力を与えたかわかる?」[静かに投げられた、問いに。今は、翠の双眸はやや険しさを帯びて]……状況からの推測による部分は大きいが。俺が、鍵の書を追って放った追跡の輪は、時空に対し得る唯一の力……天聖の力に焼かれた。だが、それは純粋な天聖の気ではなく……魔の力を帯びていた。……天聖に在らざる身にて、その力をまとう、魔。こう言えば。君も俺と同じ結論に達する事ができるんじゃないか?