(……ヤベぇ)
[失念していた事を思い出すのと同時に、過ったのはこの一言。
異世界人とかその辺りも含め、説明するのには面倒事が伴う事が多いから。
あまり目立つな、と言われていたのに、うっかりと忘れていた]
……あー、えー、と。
オレは、トロイ……こいつは、ケット・シーのリュビ。
[どうしたもんかと思いながらも、とりあえず、名乗りを返す。
黒猫妖精も、ぴょい、とお辞儀をした]
と、ゆーか。
『小説家』?
[それから、ふと感じた違和感──名乗られた肩書きと今の一連の動きの差を口に出して首をかしげたのは。
なんとか自分の事から話題を逸らそうとしての事なのは、否定できなかった。*]