― 訓練所 ―
[互いにすぐには切っ先が届かぬ距離。
紫雨>>96が魔法の準備をすることは予測しつつ動きを見る。
視線を引き付けられるのは、右手に回る苦無であるが]
――! 消え……
[お先に、との宣と共に、紫雨は一歩を踏み出し、しかし視界から消えた。>>97
なるほど魔法には身体能力を強化するもの、或いは幻術もある。
視線で追って対応しては間に合わない、と判断した]
――はっ!
[右手でリボンを括った棒を振り上げ、そして回転させる。
呪を宿した布による魔法は、威力は限定的だが、発動までの時間は短縮できる]