―朝/水没通路―「団長!」[悲鳴のような団員の声に駆けつけると、水没した外との通路に浮かんでいる影があった。人間のものである首は胴から離れて左目左耳を失っており、体の方も胸元を裂かれて肝臓と心臓が見当たらない。引き上げられた骸の惨状に、顔色を失くす団員もいた]人の仕業ではないの。だが野の獣に食われたとしては不自然。…やってくれおったわ。[重たい溜息を吐く]各自、指示しておいた通りに各家に連絡せよ。例の12名へも、宿に集まるよう伝えよ。