―― 階段 ――
[少しだけでも元気にきちんと見せようと、水を飲み、顔を洗い、身支度を整える]
[ふと階段を見上げると、座り込んでいる2つの影。
近寄って、1つはもう真っ白く、動かないのを知る]
し、ぐな、す さん?
[名前を呼んで、まだ色のある彼女の無事をたしかめようと。
そうしてから、石になった少女に十字を切り、黙祷した。顔は分からない。けれど、背格好と服装から、まだ名を知らぬあの少女だろうと。ほとんど言葉は交わしたことがなくても、やはり先刻まで動いていた人の死に、胸がふさがる]
………だ だいじょ ぶで すか?
[ゲルダの方にそっと手を伸ばし、その肩に触れる。
先ほど固まっていたらしき手をとって、そっと撫でた]