─神社石段前─[俯いていたためにホッとした表情は見えなかった。けれど、聞こえた声が険の減ったもののように思え、またハンチング帽のつばの影から様子を覗き見た]………アンタがどう思ってるのかは知らないけど。オレは綺麗だと思った。…それだけだ。[慰めたいと、褒めたいと思ったわけじゃない。そう思ったから、口にしただけ。そんな口調で言葉を紡ぎ、オレは顔を上げた]