― 客室→二階廊下 ―
[少しひんやりとした客室。
一度ベッドで身を休めていたものだったから、その上に置かれていた毛布もくしゃりと丸められてしまっていた。
ほんの少しだけ躊躇いが胸の内に過ったが、それでも湿っていたりなどはしていなかったから、オリガのもとに届けるには問題ない、と思うことにした。]
とりあえずは、この一枚があれば大丈夫かな。
[ハンガーに掛けた毛皮のコートは、幾らか雨水も乾いてきているようだったから、自分の分の毛布替わりはこれで良いだろうと思う。
少しだけ重量のある毛布を抱えて、部屋を出て。
真っ直ぐに、大広間へと戻る道を行く。]
――…。
何だかまるで、人が変わったみたいだった。あの人。
こんなゲームで、人が変わったりも……しちゃうのかな。
[ふっと零したのは、先程アレクセイに、どうかしたのかと問われたことに対して。
それは丁度、たどたどしい言葉遣いだった筈の男に言い掛けた言葉でもあった。**]