─湖畔エリア─
わー、すごいねすごいね。
ミリィ髪の毛長いんだねー。
[華麗な鞭捌きに打ち返され、一部蒸発していく水球に楽しそうに拍手。
ついでに解かれた赤い三つ編が解けて靡く様を、わーと感心したように見ていた。
尾がぱしゃぱしゃと水面を叩き、本人はこんな場で暢気におおはしゃぎ。]
じゃあじゃあ、こっちならどうかなー?
[とくるんと右手を踊るように回し、ぱちりと指を弾くと水は霧散した。
精霊たちへの意思疎通に言語があまり必要ないのは存在故である。
霧散した水は、拳大の大きさから細かい飛礫へと散り、それらは硬い氷の塊へと変化し、一帯に雹のごとく降り注いだ。]