― 演劇部部室 ―[着替えがある場所が他に思い付かず蛍子同様演劇部から拝借することにした。気を失ったままの春を抱えて演劇部に向かう]勝手に使うと叱られるかな。[僅かに困ったような声が零れた。春を下ろし部室のロッカーに凭れさせた。水場で手を洗い其れからタオルを濡らし軽く絞って春の手指についた赤を拭ってゆく]流石に、勝手に脱がすわけにはいかないかな。[其処までされるのは流石にイヤだろうと悩ましげに呟いて彼の目が覚めるのを待つ心算**]