[ユリアンはメデューサでは無かった。それでも、死は、誰の前にも平等で無慈悲で。理解していた筈なのに、身近で生き死にが展開されると心が痛むのは、泣きたくなるのは何故だろう。傍に来て抱きしめてくれるライヒアルトの、温もりも優しさも、悲しみも。全部理解したいと動く左手で背中を撫で。] 優しい人。あなたの傷を癒やしてあげられたらいいのに。[守られるだけじゃなく、守りたいと。強く思って唇を噛む。駈け去るノーラに気づいて気になったけど、やっぱり追う余裕もなくて。]