― 二階廊下 ―
いいえ、こちらこそ。
[「さっきは挨拶できなくて」という言葉>>95に、メーフィエは緩く首を横に振った。
苦笑い気味ながらも笑みを浮かべられたのは、相手の表情と声色にはっきりと明るさを感じたため。
その後「彼女」が続けた言葉に、メーフィエは頷くでもなく
雨音に雷鳴が時折混じる中でも、階段下からのざわめきは微かに届いてきていた。]
そうね。こんなひどい雨だし、雨宿りに来ている人も多いんでしょうね。
あたしも……丁度此処が見つけられたから、居るわけだし。
[特にそれが不自然なことであると気づかぬまま]