─ 2階 ケネスの部屋 ─
失礼致します。
[部屋に誰もいないはずだけれど、客人の使っている部屋だからと一声かけてから扉を開ける。
部屋の中から漂う酒の臭いに軽く目眩をしかけて、少し眉をひそめながら中に入るとまず窓を開けて換気した。]
…お酒、そんなに、おいしいの、かな。
[テーブルの上に何本かある空き瓶を寄せて、首を傾げながら呟いた。
臭いだけでくらくらするのに、平気なのかなとも思いながら先に部屋の掃除を済ませる。
それからベッドメイクをして、水桶の中に掃除に使った布と部屋にあった空き瓶を入れるとそれを持ち上げた。
思っていた以上の重さに少し困ったような顔をしながら、部屋を出ようとした。]