― 浜 ―[亡き父の所有する大きめの船が港に停泊しているはずだった。けれどその場所に行けどその姿はない。繋いでいたロープごと船は嵐にのまれたようだった]あー…。[落胆の声が漏れる。滅多に使う事がないとはいえ父がのこした一つに違いない]落ち込むかなぁ。[まず思い浮かんだのは母親の落胆する姿。水平線の彼方へと目を凝らしてみるけれど結局、目当ての船は見つけられない]