─宿屋─……ヴィリ、兄、さん。ゲルダ、お願い、ね。[『声』が聞こえなくなったところで、小さく呟く。本当は、泣きたいくらいだったけれど。部屋にいるひとは、もっと辛いだろう、と思ったから、押さえた]……アーベル。いか、ないと。[それから、黙り込むアーベルに、ほんの少し、泣きそうな表情で言う。このままここにいるのは、色々な意味で、苦しかった]