[ダーヴィットは先に行った。ライヒアルトに抱えられて三階を進む。途中会った人には会釈して。] ゆっくりでいいから気をつけてね、ライヒ。あ、ゆっくりだと疲れるかな、あたし重いし。[少しでもライヒアルトの気持ちを浮き立たせたくて、取り留めもなく話す。休憩室の近くで、エーリッヒの傍に佇むノーラに合流すれば騒ぐのは場違いな気がして黙り込む。休憩室の中にはイレーネもいるし。エーリッヒの傍を通る時、小さな声で] ありがとう。[と言った。]