─ 広間 ─
[広間に入ると抱えていた猫を離して暖炉に火を入れる。
揺らめくいろは、先に雪の上に見えたいろとは違うけれど、どこか似ていて。
暖かいはずなのに、身が震えた]
……なんなんだよ。
[ぽつ、と零れ落ちるのは掠れた呟き]
わけ、わかんないよ。
……何が起きてんの。
[あれが何の色か、わからないなんて言わない。
ただ、わかるからわからない。
一つわかっているのは、異変が起きているという事という、あんまり役に立たないもの。
それだけわかっても仕方ないのに、と思いながらふと、庭へと視線を向けて]