―一階:廊下― 片割れ? ハシェさんは……双子、ですか。[緩やかに上がり、ウェンデルに向いた少年の眼差しは、先とは異なり、驚きを持って彼を捉えた] ――……そう、でしたか。 ここから、生きて帰って…………… 会えると、いい、ですね。[声に、視線に、羨望にも似た色が混ざりそうになるのを押し隠せたかは、少年自身にはわからない。彼にしっかと手紙を渡したあと、指先は、知らず首元のブローチに触れる。彼のいらえに頷きを返して、広間へと足を向けた]