『あのさー。何時までもそんな無茶な勝ち方してっと、命が幾つあっても足りないよ?
旦那ぁ。』
知るか。どんな結果であれ勝てばいい…。
それがルールだ。生きる為のな。
[旦那と呼ばれた剣の主は、それでもその瞳の色を変えることなく、刃のような気を剣に向けたまま。
強い意志含む声が同時に吐き出した白い息は、風に揺られて高く低く揺れる。
微かな震えは消耗を物語り、剣はそれを見て心中嘆いた。]
『旦那の主張が間違ってるたぁ言わないけどサ。
もちょっと自分を大事にしてくれると俺としても嬉しいんだけどナ――あ、まだ生きてら。』
[剣の声に、立ち上がり倒れた男へ顔を向けると視線が合った。
敗者へと、せせら笑うように口の端をあげ見下ろすと、男は恨みを込めて、剣の主にとっての禁句を口にした。]
「この………アマ…」