―翌朝/黒珊瑚亭―[早朝のユーディットの悲鳴>>85で、階下に駆けつけた時には、他にも誰かいただろうか。血の臭いと、廊下に流れる、変色し始めた赤……紅。横たわる身体に空いた洞、破られた喉]…………ゼル先生。[感情が何処かにしまいこまれてしまったような、鈍い感覚のまま、ふらっと近づいて傍らに跪づき、指先で銀糸をよければ。血に汚れはしても、綺麗なままの顔。紅玉が見えたなら、12年の間心から懐かしんでいた瞳の瞼をそっと下して、そのまま胸に抱くように……抱きしめた]