─ 宿二階 ─
[無理をしないようにと動く唇には、頷いて返す>>101
その後で、得られる物はあったかと問われて、やや表情は険しくなった。熱に思考がぐらついて、考えが上手く回らない。
どちらにせよあったわけだが、それを彼に伝えるか、目に見える迷いを見せていた。
イレーネから手伝いを>>102申し出られると、良いよと意味込め首を振る。彼女に自分を支えさせるのは負担だろう、というのがあった。
とはいえ振った後でくらりとするのが情けない所だが。
ただ彼女のオトフリートへの口添えには、そーだと言わんばかりの顔をしていたとか。
きっぱり何か言い切られて>>107はいたが。]