[拳で、軽くノックのように叩く。 予想よりも柔らかい――というより、弾力があった。 しゃがみ込み、膝の上に腕を預けた姿勢で、今度は、指先で触れる。やはりというべきか、通常の卵とは異なる触感。 するりと、滑り落ちる手。]……?[造り物には思えず、かと言って、生き物というにも不可思議な存在。 答えは見つからなかったらしく、そして、どうにかしようにも自分一人では手に余る――途中、軽く押してはみたが、如何程の意味があったことやら――と考えたようで、立ち上がった。 スカートを叩く。]