誰が――――――オンナだあっ!
[口には出せない所をおもいっきり鉄板を仕込んであるブーツで踏みつけると、潰れた蛙のような悲鳴をあげて相手は今度こそ動かなくなった。]
『あーあぁ。ご愁傷サマー?』
[けらけらと、剣がワラった。ひょっとしたら使い物にならなくなったかもしれないが、知ったことじゃぁない。顛末は些細なことのはずだった。
が、転がりのたうった男の腰のあたりから、剣の興味をそそるものがはみ出していた。]
『おぉ?こいつぁすげぇや、最新のコンプだ。旦那ちょっと待ってて。』
[嬉々として剣はその柄に結えられていた飾り紐を、するすると伸ばし器用にミニコンプの端末接続部に触れた。
綿で織られているはずの紐は、どういう原理か端末の内部へと踏み入り、中のデータをくまなく漁りはじめた。
主の方は、動くのも面倒だといわんばかりにその場に座ってその様子を眺めていた。]