俺たちに……俺に、この中の誰かを殺せっていうのかよ、ギュンじーさん!
[言ってしまった後で、しまった、と思った。
聞いている人たちにいらない動揺を与えてしまう、と。
自分とアーベル以外は女性で、シスター以外は年下で、本当なら護らなきゃいけないはずなのに。
そのためにも人狼は見つけて殺さなくてはいけない。
不意に湧いた強い意思は、目の前のギュンターの主張にも似て
ふるりと、それを追い払うように首を振る。
殺したくない、殺せない、誰も。なのに
殺さなくてはいけない、人狼は殺すべきなのだと「何か」が騒ぐ]
……嫌だよ。
[口に出すと左肩が責めるかのように酷く痛む。]