人狼物語 ─幻夢─

49 緋桜酔夢


少女 千恵

―瑞穂家・二階―

[ご飯を用意したのはだれか。冷蔵庫にあったパンと牛乳を食べた。]

…あれ、みずねえちゃは?

[いない人のなかに瑞穂がいたので、誰となしに尋ねる。
答えは返ってきただろうか。
いなくなった、知らないと、どちらを言われればしょんぼりする。
だれも居なければ、うさぎが無言で返事して。
それから暫くは大人しく、本を開いて中を見ていた。]

――きみゃくはめぐる、ちからのままに。
――きざめ、きざもう、いのちのしるしを。

[雪夜の書いた、桜の絵本。桜花の事はそこにはない。ただ桜にまつわる綺麗な挿絵と、不思議な言葉が綴られている。]

きみゃく…。

[言っていたのは百華だったか。不思議な言葉だと思った。]

(111) 2009/11/05(Thu) 22:44:27

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