─ 翌日/台所 ─[物思いに沈んでいたから、やって来た者>>106に気づくのは、遅れた。先に気づいたのは、茶猫の方。器から顔を上げ、なぁぁぅ、と挨拶するように鳴く声に、天鵞絨が数度、瞬き]……あ。[最初に上がったのは、惚けた声で]おは、よう。[次に零れたのは、何処か、安堵したような響きの挨拶だった]