─隔離結界内・ユリアン近辺─
[巨大ふわふわに背を向け、二人を助けに足を踏み出すのと同時。
迷宮への転移と似た感覚――ただし今回は自由落下による重力加速度つき、が起った。
背後に一度弾んで着地した巨大ふわがその巨体で転移罠のパネルを押し、一番近くにいた者を巻き込んだのだろうと思い当たったのは誰かに受け止められた直後。]
――っと、と。すまない。
どうやら転移トラップにかかったようだな。
ありがとう。おかげさまで無事のようだ。
君、いい背筋してるね。
[真横で聞こえた声と溜息に、想像できる事情を説明。
立たせてもらい、礼と問いへの返答と余計な一言をさらり返した。]