→ 集会場・広間 ―
[その保父の掌が、亡くす象徴の赤に染まっている事は、恐怖でしか無い。過去に彼が流血した際にも、他の子供より蒼褪めて取り乱したように思う。
それでも、年下にも関わらず気丈なミハエル>>104たちの姿も在ったため、平静を保とうとは努めた。幸い、団長の姿は部屋からの遠目にしか確かめて居なかったから、踏ん張れる。]
…クレム兄さん、……うん。
[唯、手を洗うという声には、安堵したように頷いてみせただろう。
広間へと自分も足を戻し。]
……団長さん、は。
[それから、誰へともなく、ぽつりと問うように呟いた。
――ライヒアルトとエーリッヒが目にしている、白き壁>>86>>98の存在は、未だ知らない。**]