[蠢く炎がこちらへ動くのが見えれば、もう彼女の言葉など 耳には入ってこないだろう。 それほど、炎は恐怖の対象であり。 怖い、そう思えば思うほど心はそれを増幅すると知らず]やだ――やだ、っ。やめて、よ?火は嫌い、なの――やめて、よ――ね?[そのまま炎が襲い来るようであれば、部屋を駆け出し 廊下の窓から月明かりの中へと翼を広げて飛び立つ]勝負は駄目だって、言ってたのに――どうしてっ![彼女と彼女の差をまだ、知るよしもなく]