[目に入ったのは、床を染める深く沈んだ紅。そこに広がる長い髪。紅の中央に倒れた者が息を止めているのは一目瞭然。欠落の激しい心臓の辺りと、食い破られた腹が端的に物語る、事実に。ぎ、と唇を噛んだ]……やってくれる……。[零れ落ちるのは、低い呟き。ともあれ、このままにはできない、と。ベッドから取ったシーツで亡骸を覆う。白がすぐに色を違えるのを、蒼は、睨むように見据えていた**]