― 回想/二日目夜 ―[部屋に閉じこもったあとで扉をたたく音が聞こえる。 それがゲルダからはなれてどれだけ時間がたってからかも考える気になれないまま] ――だれ……[泣いて擦れた声で、ぽつりと零す。 扉の外にいたアーベル>>107がその声を拾ってなのりを返すのにゆるりと瞬き] アーベル…… ゲルダ、しんじゃった、ね……[扉まで近寄ったもののあけることなく言葉を紡ぎ] あした……には、なんとか、平気な顔、するから……[だから、ごめん、と呟き。 扉は開かぬままだった]