犯人を見つけた、と大騒ぎしなかっただけで十分予想外ですとも。
[水球に顔を突っ込んだイヴァンに、やった、と思い。
けれど、さらに力を篭められ、火炎の属性と共にじゅ、と水が蒸発するような音が聞こえた。
手首についた痕は痣と火傷と両方で、その痛みに顔を顰めながらも水球を操る力は止めず]
――…っぁ……
[苦痛のうめきを小さくもらし、どちらかが耐え切れなくなるまで、やめることはなく。
急激に力が弱まった隙にイヴァンから離れると同時に、水球も霧散した]
――そう簡単に、つかまっては面白くないでしょう……っ
[隙をついて窓の外へと飛び出して。
そのまま落下するか――というときに懐から薔薇色の杖を使って己の力の底上げ。
そして空気中の水分を集めて作ったクッションで無事に着地をしたあと。
――傷を癒すために泉のほうへと、逃げた**]