― 図書室 ―[ふ、と声が聞こえた方向に顔をあげると赤毛の顔見知り>>108がいて。]あ、ミリィ。うん、ちょっと商品の渡し忘れてたから、お店閉めてこっち来たの。[問われたことに、素直に答えを口にして。]エリィ兄ぃがお伽噺の事を言ってたから、何となく、ね。[触れていた本は割と新しい装丁がなされたお伽噺で。お姫さまが召し使いに騙され、愛馬など取り上げられるものの、紆余曲折あって最後にはハッピーエンド、という内容だった気がする。]ミリィはまた本を読みに来たの?[こてり、と首を右に傾げて問うた。]