―自衛団詰所近辺・路地―[肩を揺さぶる感触と、声。虚空と化していた意識に響くそれは、途切れていた感覚の幾つかを繋ぐ]……だん、な……?うん……もどる。[か細い声は、普段の勢いに慣れた者には異質と見えるか。ふらつきながらも立ち上がった所に、ライヒアルトの申し出が聞こえ]だいじょぶ。あるける、から。[かなり、ぎりぎりの状態ではあるのだが。自分で歩く事を選び、肩を支えられつつ、宿へと戻る。周囲から向けられる視線、それに込められた感情に気づく余裕は、なかった]