─ 昨日/黒珊瑚亭 ─
[はらはらと零れる雫は枯れることなく。
ゲルダから零れ出た紅で染まった手を見詰めたまま、かけられた声>>75を聞いた]
─── こうするしか、なかったのです。
時間になってしまえば、それまでに決められなければ。
自衛団の方々がどんな行動に出るか……。
それでは護りたい者を護れません。
あの子達を 護れません。
[誰が居て、どんな風にその言葉を聞いたかは知れない。
睡眠も取らず、食も得ずに居た身体は当然のように思考力を低下させていて。
それが凶行に走らせた原因であることに気付く者は居たかどうか]