―昨夜/宿屋外―[赤毛の男がどれだけ剣を使えたのかは分からない。けれど多勢に無勢、自衛団員も単なる素人ではなかった。背後から心臓を一突き。動きが止まったところに他からも駄目押し。そうまでされれば狼だとて生きてはいられないだろう]「……死んだか?」[地面に倒れた男を恐々と取り囲む団員達。しばらく様子を見て、恐る恐る触れてみれば脈らしいものはなく]「よ、よし。一人処刑できたぞ」[詰所に運ぼうと動き始めた]