人だと判っている者を護るためにも、こうするしか ───[うわ言のように紡がれる言葉。それはそこで一度途切れる。怪我の確認のために腕を引かれれば、それに逆らうことなく動いて。その際に紅に染まったゲルダの部屋から連れ出されることになった。タオルを渡され手に付いた紅を拭って、それからゼルギウスの手により傷の治療が為される。傷は腕や背中などへの打撲と、頬や手に付いた引っかき傷。幸い、ナイフは自分の手から離すことが無かったため、それによる傷を受けることはなかった]