― 二階廊下 ―本当、急に降ってきましたもんねぇ。不幸中の幸い、っていうのかな。[屋敷を見た時に感じた違和感は、とうに記憶の彼方に埋もれていた。駆け込んで来る人が妙に多い事にも、目の前の人>>107と同じで疑問を持てなかった]あ、……“アタシ”はえっと、メイドさん探してたんです。救急箱借りたから、返さないとって思って。[危うく一人称を間違えそうになる。寸でのところで声には出なかったけれど。腕に抱えた箱に目を落として、重ねられた誘い>>109に少し瞬いて、また顔を上げた]