負けるわけにはいかない。あの子のためにも。[紅の広がる左肩を押さえながら呟いた。目の前の男に問うのは個人的な話だ。最初にカードを手に取った目的とは異なる]……二言はありませんね。[痛みと狂ったような哄笑に顔を顰めていたが、ぴたりと止まり変化する空気に身構える。鋼鳥が変化し巨大な腕となってゆくのを無言のまま見つめて意識を張り詰める]