――……………っ、
[元鉱山夫の時も、自衛団長の時も、死を、しっかりと目にしたことはなかった。
凄惨な光景に息を飲み、口許を押さえる。
咄嗟に振り返った先には流れの修道士が居て、彼にぶつかりかけた。
そのとき、ライヒアルトがどんな反応を示したか、少年は覚えていない。
遠かった]
人、狼、
……………れても、……さなきゃ、意味な……
[自衛団を呼ぼうとしてか、階下に向かおうとした黒衣の背を見つめ、無意識に呟きを漏らす。聞きつけ、足を止めた彼へと、足は動き、手は伸びていた。
普段の少年からは考えられない力で持って突き飛ばす]
[その直ぐ先は、階段だった]