[その後、母が父の仕事絡みの少額の借財を踏み倒してまで、町の教会へ寄付していたことが知れ渡ると、村の教会との関係はさらに悪化。
まだ子どもだったユリアンには実感できなかったが、後を継いだ兄はいたたまれない思いを何度もしただろう。
工房を町へ移したのも、教会の意思が仕事に差し支えたためではなかったか……とユリアンは思っている。]
ぼくは教会のひとによく思われてないだろうし、
冷たくされるのも、わからなくはないけど……。
こんな状況になってみると、怖いんだ。
もし、彼が人狼だったら、と。
[真剣な眼差しでイヴァンを見上げ、答えを待つ。]