[>>111小さな声が聞こえると、振り返って首を振った。]
気にしないでいーよ。
そうだ、手かして?
[危なっかしい足取りを心配して。彼女が手を差し出してくれたなら、そのまま繋いで歩いてゆく。
さっきまで騒がしかった街は、今は静かで一層不気味だった。
雑貨屋にたどり着く少し前に>>#1放送が流れて足が止まった。]
え…… えっ?
[無機質無感情な放送が淡々と読み上げた名前と事柄に、何の冗談かと一瞬思った。
自分の名前と、手を握ってるカレンの名前、フラン以外は全員知らない名だった。
エリカは単に名前を知らないだけなのだが。]
打ち合い?
何すんだ打ち合いって…?
[文字通りの事が行われるという予想はつかずに、自然手が強張りかけたが。]