─ 広間 ─
[広間に到着したのは一番最後。
特にそれを気にする事もなく、旅人は一礼して広間の隅に立つ。
一方、館の主は広間に集まる険しい面持ちで見回し──ゆっくりと、口を開いた]
…………。
[語られるのは、歌い手の死。
つけられた傷が、人の手ではなし得ぬものである事。
それから告げられるのは、『幻燈歌』に謡われるもの──闇の者と、それに対する者の存在。
合わせて示されるのは、中央教会より届いた、という書簡。
このような事態が起きる可能性が、この村にある、という警告は受けていたのだと、そう告げて]