[そこまで来るとようやく周囲に気を向けられるくらいの余裕が出来てきた。さて、皆は何の話をしていただろう。気を向けた直後に聞こえたのは、傍にいるオリガの声>>110だった]……呼ぶ声?────………[その言葉を聞いて、そう言えば、と僕は口の中だけで呟く。今までとは雰囲気の異なる、真剣に考え込むような不自然な間。さっきアナスタシアの声を聞いた時も、その呼ぶ声を思い出していたのだ。それを思い出している間、僕の顔は眉が寄せられやや顰めっ面になっていた]