[廊下に出て、祖父の部屋の方を見る。そちらにはどうしても足が向かなくて、階段をとてとてと下りていった]…………。[一階まで下りたなら、広間には人の気配。それでも、すぐにそちらに向かう気にはなれなくて。勝手口から庭に出て、薔薇の植えられた場所へと歩いて行った]…………。[冷たい風に揺れる薔薇の枝。それをぼんやりと見ながら、ひとつ、息を吐いて]