─館内─
走りにくいー。
[廊下は真っ直ぐばかりじゃないため、スピードを上げたと思ったら曲がり角に当たるの繰り返し。
一時的にベッティの近くまで駆けても、曲がり角で失速してまた離される、を繰り返していた]
待ってよぉー。
[何度か声を掛けるも彼女が止まることは無く。
何度目かの曲がり角で声が上がるのを聞いた。
角を曲がるために滑るようにしてスピードを落とす]
ねぇ、待って……あれぇ?
ナタだぁ。
[倒れたベッティより先にナターリエの姿が見えて、金の瞳を瞬いた。
格好は違っていたけど、匂いで直ぐに分かったから間違うことは無い。
それから足元のベッティに気付いて、鼻先を近付ける]