―宿屋・酒場―
親父さん、クロエを見なかったか?
部屋に居ない…っ!?
…クロエ?
[椅子に座り込んでいる姿を見て息を飲む。
下ろされたままの髪に別人と勘違いしかけたが、すぐにクロエだと気づいて名を呼んだ]
親父さんが追いかけて。
自衛団長が…?
ライヒアルトさんが連れてきてくれたんだ。
[リッキーが近寄ってきて、状況を耳打ちしてくれる。
沈黙しているライヒアルトがいれば感謝の視線を送った。
リッキーから水のグラスを渡されると、フーゴーの問いかけは同じく邪魔をしないようにしつつ、クロエの傍に近寄り置いた。
何度文句を言われてもやってしまう頭を撫でる手は、少し強張っていたかもしれない]