[警戒を和らげたか、扉を大きく開く]
ああ、あれですか?
ちょっと、仕事の続きです。
……気を、落ち着けたくて。
[昨晩の出来事がなかったような、そんな暢気なやりとりも、告げられたローザの死の前に失せる。
言葉を失い、ターコイズグリーンの瞳を揺らした]
……本当に。
止まってなんて、いられないんですね。
[沈痛な面持ちになり、視線を落とした。
ゆるゆるて頭を振ると、顔を上げて]
私……、先に下、行ってきます。
何かと要りようになるでしょうから。
[見まいとする言い訳のように返す。
軽く支度してから行くから、その間に、他の皆に報せて欲しいと告げた。子を預かるべきなら、言って欲しい――とも]