─ 訓練所 ─
あいにく、私の知る恩師は…訓練であれ手を抜くことのほうが許されない性質でね…!!
[ガン!!!!と音が立つ。
胸部を狙って飛び掛かり振り下ろした拳が、ハルバードの柄で阻まれる。
そのまま嫌な金属音を少し奏でた後に、左に弾かれる。
僅かな浮遊感であっても態勢は崩さずに左足で着地し左手も地に着けることで安定寸の間よりはやく安定を図り一気に、踏み込もうとしたのだが、直後右側から斜め上方向へと予想外の速さで薙ぎ払われる影を見る。]
…ぬっ…
[そのからくりは右側から予想外の足を使って弾き飛ばすようにしたことによる速さによるものだと知ったのは、右腕の小手で防いだ後のことだ。
攻撃そのものは防げたが、こちらの踏み込みを牽制するという意味では見事に目的を果たされたわけだ。
右腕を払い受けたハルバードの柄をはじき返す]
やはり容易く詰めさせてはもらえぬな。
[距離をとられたベアトリス先生を見据えながら、ふーっと息を吐く。初めに向き合った時と同じような構えを取り直す]