― 部屋H ―[迫る気配>>120に再び振り返る。銀を止めるものは持っていない。でも、朱花、にこのまま殺されるわけにいかない]versprach auf alle Fälle……[歌えればいい。喉を守るように左腕を持ち上げる。茶猫の鳴き声が旋律と合わさった気がした。誰か別の、女性の歌声のようにも聞こえた。あくまでも主観だったけれど。最後の一節だけ歌詞が浮かんで、歌に乗せた]