[天気の話題から窓の外に視線を向けて。
僅かに翳った翠は気取られたのか、どうか。
ぽんぽん、と背を叩く感触>>76には、と我に返って振り返る]
あー……うん。
大丈夫、うん。
[短く返す際には、僅かながら苦笑が滲む。
ミリィは……というか。
幼い頃に一緒に森を駆け回っていたユリアン、ミリィ、クロエらには、12年前の出来事も知られているから、無理に取り繕うことはしなかった。
12年前の雪嵐の夜にあった事。
仔細な出来事は、自身の記憶からも抜け落ちているけれど。
表向きは事故とされているそれが、実際には事件と呼べる手合いのものであった事と、それが叔父夫婦に引き取られた理由である事は、親しくしていた家には伝えられていたやも知れず]